天と共にある私の仕事と昔の農業
今年一年を振り返って見たら私の仕事と昔の農業の共通点がいくつかあることに気がついた。
農業は地面を耕し土作りをする。種を蒔き自然と共に育てるために害虫、雑草を取る、肥料をやるなど様々な世話をする。それからは育って行く過程の中で収穫するまでは天にお任せ、まさにお天気次第という事。
私の仕事は野原の草花を使って染色をする。草花は私が育ていないので天にお任せの仕事だ。
だいたいの色を想像していても毎回お任せして生まれてくる色に私は自然との共同作業をしているのだと感動するのみ。上の方から降りて来て私に届けられる閃きについても同じだ。
作品を制作する過程は農業とは様々に違っているが仕上がった作品を展示する日時が天にお任せ、つまりお天気次第という事について共通の喜怒哀楽がある。
30年近く作品展を開催しながら暮らしてきた私にとって作品の仕上がりイメージがどうのこうので心を悩ます事は普通のことだ。ただ作品展の日程と外の世界の出来事のシンクロが作品たちとお客様の
出会いを左右しそこにドラマが生まれると言う事。
9.11、サーズ、3.11、そして今年の超大型台風などなど、会期中に遭遇した様々な外の出来事に私の運命が変わったことは確かだ。
それは良かったとか悪かったと言うことではなくこの宇宙に身を任せて生きていると言うことをやや心地良くそしてしみじみと味わっている2019年、年末の私。